「健康診断でエコー検査をすすめられたけれど、いったい何を調べるの?」「痛みや被ばくの心配はないの?」——そんな疑問をお持ちの方は少なくありません。エコー検査(超音波検査)は、体への負担がきわめて少ないにもかかわらず、内臓の状態をリアルタイムで把握できる非常に有用な検査です。当院では腹部エコー・頸部エコー・甲状腺エコーを実施しており、消化器疾患の早期発見や生活習慣病の管理に役立てています。この記事では、エコー検査で何がわかるのかを中心に、検査の仕組みや準備、注意点まで丁寧にお伝えします。エコー検査(超音波検査)とは?エコー検査とは何か、まずは基本的な仕組みから確認しましょう。人間の耳では聞こえない高い周波数の音波(超音波)を体内に向けて発信し、臓器や組織から跳ね返ってきた反射波を画像に変換する検査ですプローブ(探触子)と呼ばれる機器を皮膚の表面に当てるだけで検査が完了しますリアルタイムで臓器の形・大きさ・内部の状態を観察できるため、動きのある臓器や血流の観察にも優れています放射線を一切使用しないため、【被ばくの心配がゼロ】です。妊婦さんや小さなお子さんにも安全に使用できます超音波検査は人間の耳には聞こえない高い周波数の音(超音波)を体に当て、その音が臓器や組織に当たって跳ね返ってくる様子をキャッチして画像化します。反射波のことを英語で「echo(エコー)」と呼ぶことから、超音波検査は「エコー検査」とも称されています。エコー検査と他の画像検査との違いエコー検査の特性を、他の検査と比較して理解しておくと受診の判断がしやすくなります。レントゲン・CT検査:骨や肺など硬い組織・ガスを含む部位の撮影に優れるが、放射線被ばくが生じるMRI検査:軟部組織の描出に優れるが、撮影に時間がかかり閉所が苦手な方や体内に金属がある方は受けられないことがあるエコー検査:被ばくなし、痛みなし、短時間で完了。ただし、骨の奥側やガスを多く含む臓器(胃・大腸など)の内部は観察しにくいCTやMRIよりもエコー検査の方が優れている部分もあります。CTには放射線の被ばくの影響が避けられない事、MRIには閉所恐怖症の方や体内に埋め込み金属(ペースメーカーなど)のある方は検査を受けられない、などの欠点がある一方、エコー検査にはそのような欠点がありません。エコー検査で見えないものエコー検査が苦手とする部位も正直にお伝えします。骨とガス(空気)にぶつかると超音波は減衰・反射してしまい、その奥を映し出すことができません胃や腸は内部にガスが多いので超音波検査は向いていません。胃や大腸の検査には内視鏡検査をおすすめします肥満体型の方では超音波が深部まで届きにくく、観察精度が落ちる場合があります腹部エコー検査でわかること腹部エコーは、お腹の中の臓器を広くチェックできる代表的な検査です。腹部エコー検査は、みぞおち周辺の臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓)を対象に、がんの早期発見に役立つ検査です。がん以外に「脂肪肝」「胆石」「胆のうポリープ」「腎結石」なども発見できます。肝臓・脾臓でわかる疾患腹部エコー検査では、主に肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓・腹部大動脈・前立腺・子宮・卵巣・消化管などに異常な所見が無いかどうかを観察します。エコー検査を行い消化器系で発見されるご病気としては、脂肪肝・肝硬変・肝癌・胆石・胆嚢癌・胆嚢ポリープ・胆嚢腺筋腫症・膵癌・膵嚢胞などがあります。脂肪肝:肝臓に脂肪が蓄積した状態。生活習慣病と深く関連しており、定期的に観察することで改善度も確認できます肝のう胞・肝血管腫:多くは良性ですが、経過観察が必要です肝硬変・慢性肝障害:肝臓の形や表面の性状から進行度の目安を把握できます胆嚢・膵臓・腎臓でわかる疾患胆のうは肝臓で作られた胆汁を濃縮し貯めておき、食事を摂取したあとに消化液として腸へ分泌しています。エコー検査では、胆のうや胆管に石ができた胆のう(胆管)結石や、胆のう内にキノコ状のできものができた胆のうポリープなどがわかります。膵炎・膵嚢胞・膵腫瘍:膵臓は深部に位置するため描出が難しい場合もありますが、異常の有無を確認する最初のステップとして有用です腎臓には1分間に1リットルの血液が流れ込み、ろ過をして尿を作る働きをしています。エコー検査では、腎臓に石ができた腎結石や、腎臓に水のたまった袋がある腎のう胞などがわかります腹部大動脈瘤の確認腹部エコーでは、腹部大動脈の拡張(大動脈瘤)も観察できます。大動脈瘤は自覚症状に乏しいことが多く、エコーによる偶発的発見が重要な役割を果たします。腹部エコー検査は、臓器の異常や疾患の兆候を発見するための重要な検査ですが、確定診断をするためには、追加の検査が必要となる場合がほとんどです。異常が見つかった際は、必要に応じてCT・MRIなどの精密検査へとつなげます。甲状腺エコー・頸部エコー検査でわかること頸部(首)のエコーでは、甲状腺をはじめとした首まわりの組織を詳しく調べることができます。甲状腺は、首の喉仏のすぐ下に位置する小さな臓器で、体の新陳代謝を促進するホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌します。甲状腺に異常が生じると、ホルモンのバランスが崩れ、動悸や息切れ、疲れやすさ、汗をかきやすい、脱毛、食欲不振、体重減少などの症状が現れることがあります。しかし、無症状の場合も多く、健診の採血やエコー検査で偶然に異常が見つかることもあります。甲状腺エコーで発見できる疾患甲状腺エコー検査をすることで、次のような病気の診断に役立てることができます。甲状腺腫瘍・バセドウ病(甲状腺機能亢進症)・橋本病(慢性甲状腺炎)・亜急性甲状腺炎・甲状腺のう胞・腺腫様結節などです。バセドウ病:甲状腺全体が腫れて血流が増加する所見が特徴的です。病気の症状としては動悸、息切れ、下痢、体重減少、眼球突出などがあります橋本病(慢性甲状腺炎):甲状腺の表面がデコボコになり、内部が不均一に見える場合があります。病気の症状としては、疲れやすい、倦怠感、浮腫などの症状があり、元気が出ないためうつ病と間違われるケースもあります甲状腺がん:形のいびつなしこりや石灰化の有無を観察し、悪性の可能性を評価します甲状腺がんは無症状で見つかることも多いです。甲状腺エコー検査では甲状腺の様子がモニター画面に映し出されるため、技術者(基本的に医師)がそれを見て診断に役立てます。エコー検査は濃淡のある白黒で表され、位置、大きさ、形状などを知ることができます。ただし確定診断には、血液検査や細胞診など追加の検査が必要になるケースもあります。頸部リンパ節・唾液腺も確認できる頸部には甲状腺のみならず、耳下腺や顎下腺、頸部リンパ節といった組織があります。いずれも耳下腺腫瘍や顎下腺腫瘍、頸部リンパ節腫脹・頸部リンパ節転移などといった病気が隠れていることがあり、これらは同じようにエコーで確認することができます。「首にしこりを感じる」「リンパ節の腫れが気になる」といった場合にも、頸部エコーが有用な場合があります。こんな症状・状況のある方は受診を検討してくださいエコー検査は自覚症状がない段階でも行われますが、以下のような場合は特にご相談ください。みぞおちや右わき腹・左わき腹に繰り返す鈍い痛みや違和感がある血液検査でASTやALT(肝機能)、γ-GTP(胆道系酵素)の数値が高いと指摘された脂肪肝・胆石・腎結石・胆嚢ポリープを以前に指摘されており、経過観察が必要な方健康診断で「腹部エコー要精査」と記載があった首にしこりや腫れを感じる、あるいは動悸・体重変化・倦怠感など甲状腺疾患を疑う症状がある糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病があり、内臓の定期チェックを希望する方対象臓器のがんを発見することが一番の目的です。このほかに脂肪肝、胆石、胆のうポリープ、腎結石などの疾患の発見に有効です。また毎年受診することで、脂肪肝などの生活習慣から起こりうる所見の変化を観察することも可能です。エコー検査前の準備と注意点検査をスムーズに受けていただくために、事前に確認しておきたいポイントをまとめます。腹部エコーは「絶食」が基本腹部エコーでは、胆のうを正確に観察するために空腹の状態が望ましいとされています。食事をとると胆のうが収縮して小さくなり、内部の結石やポリープが見えにくくなるためです。また食事が胃の中に滞留し、胃の背側にある膵臓などの臓器が見えにくくなります。一般的には、検査前6時間程度の絶食が求められます。午前中の検査であれば前日の夕食を21時までに済ませ、当日の朝食を抜くのが標準的な流れです。検査前に水や白湯は飲んでも大丈夫ですが、お茶や牛乳、果汁ジュース、コーヒーは禁止となります。その理由は、牛乳や甘い飲料などを飲むと、食事をしたと勘違いして、胆嚢が収縮し、中身をはき出してしまいます。※常用薬の服用については、事前に医師にご確認ください(糖尿病薬・インスリンを使用中の方は特に要注意です)甲状腺・頸部エコーの準備体表超音波検査(甲状腺・頸部エコーなど)では食事制限はありませんので食事はとっていただいて結構です。検査部位が頸部の場合は首まわりの開いた服を着用してください。ハイネックのセーターや固い衿のシャツは脱ぎ着がしやすい服装に替えてからご来院ください。服装・その他の持ち物腹部エコーの場合:上下に分かれた服装がおすすめです。ワンピースなどは腹部の露出に手間がかかります検査結果を見やすくするため、室内の照明を少し暗くして実施します健診で指摘を受けた方は結果票をお持ちいただくとスムーズに検査を進められますまとめ(総括)エコー検査(超音波検査)は、痛みや被ばくの心配なく、リアルタイムに体内の臓器を観察できる検査です。当院で実施している腹部エコー・頸部エコー・甲状腺エコーのそれぞれについて、ポイントをまとめます。腹部エコー:肝臓(脂肪肝・肝がん)、胆嚢(胆石・ポリープ)、膵臓(膵炎・膵腫瘍)、腎臓(腎結石・腎嚢胞)、腹部大動脈などを観察。消化器系の自覚症状や血液検査の異常がある方に特に有用甲状腺・頸部エコー:甲状腺腫瘍・バセドウ病・橋本病・頸部リンパ節の異常を観察。動悸・倦怠感・体重変化・首のしこりなどが気になる方に勧められます検査を執り行う医師の経験や技術により、エコー検査の正確性は大きく変わります。腹部エコー検査を受けることをご検討中の方は、実績のある医師が在籍している病院・クリニックで受けていただくことをおすすめいたします。また、腹部エコー検査で異常が見つかった場合には、異常に応じて経過観察になったり、精密検査(CT・MRI検査など)が推奨されたりします。検査の結果はその日のうちに担当医から丁寧に説明しますので、疑問点はその場でご質問ください。当院について当院(かんだクリニック)は、京都市南区のイオンモール京都桂川1Fメディカルモール内に位置する内科・消化器内科クリニックです。院長は京都大学医学部を卒業後、日本赤十字社和歌山医療センターや大学院での研究・臨床を経て、消化器内科の専門家として多数の経験を積んできました。当院の特徴をご紹介します。消化器病専門医・肝臓専門医・消化器内視鏡専門医が在籍し、エコー検査結果を専門的な視点で解釈します腹部エコー・頸部エコー・甲状腺エコーに加え、胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査・ピロリ菌検査・除菌治療まで一貫して対応大学病院レベルの設備を活用し、患者さんの身体的負担を最小限に抑えた検査を心がけています検査後はその日のうちに結果をご説明し、必要に応じてCT・MRIなどの精密検査への紹介もスムーズに対応します診療時間平日 9:00~12:00/15:30~18:30土曜 9:00~12:00/13:00~15:00第2・第4日曜 午前診療・エコー検査実施休診日:水曜・日曜アクセスJR桂川駅より南西約320m。イオンモール京都桂川1Fメディカルモール内のため、お買い物のついでにもお気軽にご来院いただけます。「健診でエコーを指摘されたが、どこに行けばいいかわからない」「なんとなくお腹の調子が気になっている」という方も、まずはお気軽にご相談ください。地域の皆さまの健康を、消化器の専門家としてしっかりとサポートしてまいります。※ 診療時間・休診日は変更される場合があります。受診前に必ず公式サイト(https://www.kanda-clinic.jp/) または電話にてご確認ください。