進行大腸癌とは進行大腸癌とは、癌が大腸壁の固有筋層以深に浸潤した段階の大腸癌を指します。早期大腸癌と比較して、周囲のリンパ節や他の臓器(肝臓、肺など)への転移リスクが高くなります。進行大腸癌の症状としては、血便、便通異常(便秘や下痢)、便が細くなる、腹痛、腹部膨満感、貧血、体重減少などが挙げられます。癌が大きくなると腸閉塞(イレウス)を起こし、便やガスが出なくなる、腹部の激しい痛みや嘔吐といった症状が現れることもあります。進行大腸癌は集学的治療が必要進行大腸癌の治療は、癌の進行度(ステージ)や発生部位、患者さんの全身状態に応じて、外科手術、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法などを組み合わせた集学的治療が行われます。手術可能な進行大腸癌では、大腸の切除とリンパ節郭清を行い、術後に化学療法を追加することで再発予防を図ります。肝臓や肺への転移がある場合でも、転移巣の切除が可能であれば積極的に治療を行うことがあります。近年は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新しい治療薬も登場し、治療の選択肢が広がっています。便が細くなったら要注意。「進行大腸癌」のサイン「根」が筋肉まで達し、全身へ広がるリスク「進行大腸癌」とは、癌の根っこが、腸の壁の「固有筋層(筋肉の層)」より深く食い込んでしまった状態を指します。 早期癌との決定的な違いは、筋肉の層にある豊富な血管やリンパ管に入り込み、そこを通って肝臓や肺などの遠くの臓器へ転移してしまうリスクが高いことです。 大腸は便の通り道であるため、癌が大きくなると、土管の中が詰まるように通り道が狭くなり、様々な「通過障害」の症状が現れ始めます。身体からのSOS「危険な兆候(レッドフラグ)」大腸は非常に伸縮性があるため、初期のうちは症状が出にくいですが、ある程度の大きさになると以下のような明確なサインが現れます。これらは「痔」では説明がつかない症状です。便が細くなる: 癌が張り出して通り道が狭くなるため、便がエンピツのように細くなったり、残便感(出したのにまだ残っている感じ)が続いたりします。便秘と下痢を繰り返す: 狭い隙間を無理やり通そうとして、便秘になったり、逆に下痢状の便しか通らなくなったりします。暗赤色の血便・貧血: 痔のような鮮やかな血ではなく、どす黒い血や粘液が混じります。出血が続いて貧血(立ちくらみ・息切れ)になります。お腹が張る・吐く(腸閉塞): 癌で腸が完全に塞がってしまうと、ガスも便も出なくなり、お腹がパンパンに張って激痛と嘔吐に襲われます(緊急手術が必要です)。諦めない!「手術+薬」で根治を目指す進行大腸癌と診断されても、絶望する必要はありません。大腸癌は他の癌に比べて、「転移があっても、切除できれば治る確率が高い」という特徴があります。 基本は外科手術で腸とリンパ節を切除しますが、肝臓や肺に転移していても、それらも同時に(あるいは時期をずらして)切除することで根治が目指せます。 さらに現在は、癌の遺伝子タイプに合わせた「分子標的薬」や「免疫チェックポイント阻害薬」など、副作用を抑えつつ効果を発揮する薬が次々と登場しており、手術と組み合わせることで治療成績は飛躍的に向上しています。 とはいえ、治療は大掛かりになり、場合によっては人工肛門が必要になることもあります。「あの時、検査を受けていれば」と後悔しないために、40歳を過ぎたら定期的な内視鏡検査を習慣にしてください。