進行胃癌とは進行胃癌とは、癌が胃壁の固有筋層以深に浸潤した段階の胃癌を指します。早期胃癌と比較して、周囲のリンパ節や他の臓器への転移リスクが高くなります。進行胃癌の症状としては、食欲不振、体重減少、腹痛、悪心・嘔吐、吐血や黒色便(消化管出血による)、貧血などが挙げられます。また、癌が大きくなると胃の通過障害を起こし、食事摂取が困難になることもあります。進行胃癌は症状が出てから発見されることが多く、早期発見の重要性が強調されています。なお、進行胃癌の中には、胃の壁を硬くしながら這うように広がる「スキルス胃癌」というタイプもあります。これは若年層にも見られ、発見が難しい難治性の癌ですが、現在では新しい薬物療法などの開発が進んでいます。進行胃癌は集学的治療が必要進行胃癌の治療は、癌の進行度(ステージ)や患者さんの全身状態に応じて、外科手術、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法などを組み合わせた集学的治療が行われます。手術可能な進行胃癌では、胃の切除とリンパ節郭清を行い、術後に化学療法を追加することで再発予防を図ります。手術が困難な場合や遠隔転移がある場合には、化学療法が治療の中心となります。近年は、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの新しい治療薬も登場し、治療の選択肢が広がっています。進行胃癌 = 根が深い癌「大きさ」ではなく「深さ」「早期癌」と「進行癌」の違いは、癌の大きさではありません。「どれだけ深く根を張っているか(深達度)」で決まります。 胃の壁は5層構造になっていますが、癌が表面の粘膜を突き破り、その奥にある「固有筋層(筋肉の層)」まで達したものが「進行胃癌」です。 筋肉の層には血管やリンパ管が豊富にあるため、ここに癌が到達すると、血液やリンパ液に乗って、胃の外側のリンパ節や、肝臓などの他の臓器へ飛び火(転移)するリスクが高まります。そのため、内視鏡で表面を削り取るだけでは治療が不十分となり、胃を切除する外科手術が必要になります。身体が発するSOS「危険な兆候(レッドフラグ)」早期癌とは異なり、進行癌になると身体に明確な異変が現れます。以下の症状は、癌が胃の働きを邪魔したり、栄養を奪ったりしているサインです。みぞおちの痛み・不快感: 食事のたびに痛む、重苦しい感じが続く。食事がつかえる・吐く: 癌が大きくなり、胃の出入り口を塞いでいる(狭窄)可能性があります。黒色便(タール便)と貧血: 癌からの出血が便に混じり、海苔の佃煮のように黒くなります。同時に立ちくらみなどの貧血症状が出ます。体重減少・食欲不振: 癌組織が身体の栄養を奪い、急激に痩せていきます。「手術+薬」で根治を目指す時代へ「進行胃癌=諦める」というのは過去の話です。 現在は、外科手術で胃とリンパ節をしっかり切除し、さらに術後に抗癌剤を使うことで、目に見えない微細な癌細胞を叩く「集学的治療」が標準です。 さらに近年、「免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボなど)」や「分子標的薬」といった新しい薬が登場し、手術が難しい進行癌であっても、癌をコントロールして長く共存できるケースが増えています。 とはいえ、治療の負担は早期癌に比べて大きくなります。「あの時、検診を受けていれば胃を残せたのに」と後悔しないためにも、無症状のうちに定期検査を受けることが、あなたの人生を守る最大の防御策です。