早期胃癌とは早期胃癌とは、癌が胃の粘膜または粘膜下層にとどまっている段階の胃癌を指します。リンパ節転移の有無は問いません。早期胃癌は進行胃癌と比較して予後が良好であり、適切な治療を行えば高い治癒率が期待できます。早期胃癌は自覚症状に乏しいことが多く、健康診断や人間ドックでの内視鏡検査、あるいは他の目的で行った検査で偶然発見されることが少なくありません。胃もたれ、食欲不振、軽い腹痛などの非特異的な症状を伴うこともあります。早期胃癌は内視鏡治療で根治が期待できる早期胃癌の最大の特徴は、条件を満たせば内視鏡的治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)によって胃を温存しながら根治を目指せることにあります。内視鏡治療の適応となるのは、癌が粘膜内にとどまり、リンパ節転移のリスクが極めて低いと判断される病変です。内視鏡治療は外科手術と比較して身体への負担が少なく、入院期間も短く、治療後の生活の質(QOL)も良好に保たれます。内視鏡治療の適応外となる早期胃癌は、外科的手術の対象となります。胃を切らずに完治する!「早期胃癌」を見つける本当の価値「癌」だけど「表面だけ」の段階「胃癌」と診断されると、多くの人が絶望し、胃を全部摘出する手術を想像します。しかし、「早期胃癌」であれば話は全く別です。 胃の壁は5つの層(粘膜、粘膜下層、筋層など)でできていますが、癌がまだ一番浅い「粘膜」やそのすぐ下の「粘膜下層」にとどまっている状態を早期胃癌と呼びます。 この段階では、癌はまだ「根」を深く張っていないため、転移している可能性が極めて低く、適切な治療を行えば9割以上が完治します。つまり、早期胃癌は「死に至る病」ではなく、「治せる病気」なのです。ただし、早期胃癌ができた胃は、他の場所からも癌が発生しやすい状態(発癌母地)になっています。治療した後も、「別の新しい癌」ができていないか、年に1回の定期検査を続けることが大切です。症状がないからこそ危険「リスクの兆候(レッドフラグ)」早期胃癌の最大の特徴は、「自覚症状がほとんどない」ことです。痛くなったり痩せたりした時には、すでに進行癌になっていることが大半です。 だからこそ、症状ではなく「リスク」で判断する必要があります。以下の項目に当てはまる人は、今は元気でも胃癌の予備軍です。ピロリ菌に感染している(または過去に除菌した): 胃癌発生原因の99%はピロリ菌です。除菌後もリスクは残ります。萎縮性胃炎(慢性胃炎)がある: 胃の粘膜が薄くなっている人は、癌が発生しやすい土壌を持っています。40歳以上で、まだ一度も胃カメラを受けていない: 40歳を超えると胃癌のリスクが上昇し始めます。血縁者に胃癌の人がいる: 遺伝要因や、食生活・ピロリ菌感染の共有によりリスクが高まります。「胃を残せる」という最大の特権早期胃癌を見つける最大のメリットは、「お腹を切らずに治療できる」ことです。 粘膜にとどまっている癌であれば、内視鏡(胃カメラ)の先端から電気メスを出し、癌の部分だけを粘膜ごと薄く剥ぎ取る「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」という治療が可能です。 入院は1週間程度で済み、何より「胃がそのまま残る」ため、治療後もこれまで通り食事を楽しみ、普通の生活に戻ることができます。 「癌を見つけるのが怖い」のではなく、「胃を残せるチャンスを逃すのが怖い」と考えてください。1年に1回の内視鏡検査は、あなたの「食べる喜び」と「胃」を一生守るための最強の保険です。