
ピロリ菌
ピロリ菌とは

胃の不調の原因になり
胃がんの発症率を上げる菌
ピロリ菌とは、胃内に潜む細菌を指します。姿はらせん形をしており、先端に数本のひげのような体毛を持っています。胃は胃酸という食べ物を分解する消化液を持っており、強い酸性であることから、細菌やウイルスは生存できないと言われていました。しかし、ピロリ菌はアンモニアを作り出し、胃酸と中和することで、身を守りながら胃の中で生活していることが分かりました。胃の中でも生存できる個体を持つのが、ピロリ菌の特徴です。ピロリ菌はなぜ、このような名前がつけられたのか、胃がんや胃潰瘍になりやすいと言われている理由などについて解説しますので、ご参照ください。
ピロリ菌の名前の由来
ピロリ菌の正式名称は【ヘリコバクター・ピロリ】です。名前は以下の由来から名付けられました。
-
ヘリコ:旋回する。らせん
-
バクタ―:バクテリア。細菌のこと
-
ピロリ:胃と十二指腸の境目にある部位を【幽門】と呼び、英語で【pylorus(ピロリス)】と表記されることからピロリと名付けられた
ピロリ菌は、幽門部分で多く発見され、旋回しながら動く細菌であることから、ヘリコバクター・ピロリと名付けられました。
ピロリ菌が胃がんや胃潰瘍になりやすいと言われる原因
ピロリ菌の働きによって胃壁が傷つき、そこに胃酸が触れることで胃潰瘍や胃がんを発症します。ピロリ菌は、旋回しながら胃内を動き回っており、旋回している数本の体毛が胃壁を傷つけます。傷ついた胃壁は、強い酸性を持つ胃液により更に傷つくことで、胃潰瘍や胃がんに 進行していくのです。
ピロリ菌の感染経路
ピロリ菌の感染経路は、明確なものは分かっていません。しかし、井戸水や下水道が発展する前の水道水などから感染したのではないか、という説が有効とされています。現在よりも衛生的ではなかった時代の水道水にはピロリ菌が混入されていたと考えられ、人が飲水することでピロリ菌が胃内に入り込み感染すると推測されています。
ピロリ菌は口から感染する
ピロリ菌に感染している人の箸やスプーンを他者が使用することで、ピロリ菌の感染が広がっていきます。特に、子どもに食事を与える際、親が噛んでほぐしたものを食べさせる習慣があった時代は、ピロリ菌の感染が広がりやすいといえるでしょう。親がピロリ菌を含む井戸水や水道水を飲むことで感染し、自分が使用した箸やスプーンなどを子どもと共有していた場合、高確率で感染しているといえます。しかし、ピロリ菌に感染したからといってすぐに症状は出ないため、感染が分からないまま年月が経過し、胃潰瘍や胃がんを発症しています。
ピロリ菌の感染率
厚生労働省が調査したところ、年代別で感染率に差があることが分かっています。以下の表をご参照ください。
ピロリ菌の感染率は、80代以上の70%に見られている一方、30代では10%以下と減少しています。先述した水道関連の衛生面がよくなったことで、ピロリ菌の除去が図れていると考えられます。また、昨今は親が口に入れた食べ物を子どもに与えることは、虫歯や感染症などが子どもに移ると考えられ、推奨されなくなったこともピロリ菌感染率の低下につながっていると考えられます。
ピロリ菌と胃がんの関係
ピロリ菌は、胃壁を刺激して傷つけることで、胃がんや胃 潰瘍に発展すると考えられています。ピロリ菌により傷つけられた胃壁は、炎症を起こし、がんへ進行する危険性があります。がんは、何らかの刺激で遺伝子の突然変異が起こって作られた、異常な細胞の塊です。
ピロリ菌による胃壁の刺激が、遺伝子の突然変異を誘発し、がん化すると考えられています。
ピロリ菌除菌の保険適応疾患
ピロリ菌の除菌は、厚生労働省が定めた条件に適応した疾患のみ保険にて治療できます。
適応疾患は、以下の通りです。
内視鏡検査や造影剤を使用した検査などで、上記の病気であると確定診断された場合に、保険適応にてピロリ菌の除菌治療が受けられます。