胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)は、胃がんや胃潰瘍、胃炎などの疾患を早期発見するための重要な検査です。では、実際に何歳から受け始めるべきなのでしょうか?この記事では、胃カメラ検査の適切なタイミングや頻度について詳しく解説します。
胃カメラ検査の推奨開始年齢は?
一般的に胃カメラ検査を受け始める目安は、40歳以上 とされています。この年齢を基準にする理由は、胃がんをはじめとする胃の疾患が40代から増加し始めるためです。
特に、以下のようなリスク因子がある方は、早期の検査を強く推奨します。
家族に胃がんの既往がある
過去にピロリ菌感染歴がある
胃炎や胃潰瘍の既往歴がある
また、日本では胃がんの発症率が高い背景から、定期的な胃カメラ検査を健康診断の一環として取り入れる方も増えています。
若い世代でも検査が必要な場合
20〜30代であっても、次のような症状や状況がある場合は早めの胃カメラ検査を受けることが推奨されます。
1.胃の不調がある場合
胃もたれや胸やけが頻繁に起こる
食欲不振や体重減少が続く
黒い便や血便が見られる
2.ピロリ菌感染が確認された場合
ピロリ菌感染は胃がんリスクを高めることが知られており、若い段階での検査と治療が重要です。
3.ストレスや生活習慣の影響が大きい場合
仕事のストレス、飲酒・喫煙、偏った食生活などが胃の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
胃カメラ検査の適切な頻度とは
胃カメラ検査の頻度は、健康状態やリスク因子により異なります。
初回検査で異常がなかった場合
一般的に2〜3年ごとに検査を受けることが推奨されています。
リスク因子や異常が見つかった場合
医師の指示に従い、1年に1回など、より短い間隔で検査を受けることが重要です。
胃カメラ検査を早めに受けるメリット
1.早期発見が可能
胃がんは早期であれば治療成功率が非常に高く、検査による早期発見が予後を大きく左右します。
2.症状がなくても異常が見つかる場合がある
胃の疾患は自覚症状がないことも多いため、検査によって隠れた異常を見つけることができます。
3.治療の負担を軽減できる
早期に疾患を発見することで、治療の負担が軽く済む可能性が高くなります。
当院の胃カメラ検査への考え
胃カメラの検査年齢に関しては上記の内容が基本的な考え方です。人種にもよりますが、日本人の胃がんはほぼピロリ菌が関与しております。ピロリ菌は幼少期に感染していることがほとんどで、幼少期の免疫がまだ幼弱な時に母子感染や父子感染、井戸水や山や川の水から感染していると考えられております。
家族歴が重要で、両親や親族にピロリ感染が認められる場合はそのリスクが高いと考えられます。またご自身がピロリ感染しているということは自分の両親、兄弟はもちろんのこと、ご自身の子供を含めた子孫にまで迷惑をかけることになります。現状小児の内視鏡の検査は負担が大きいため、施行しにくい状況ですが、成人になれば家族歴のある方はなるべく早く内視鏡検査を受けていただき、ピロリ菌感染の有無を確認することがベターと思われます。
ピロリ菌感染歴のない方の検査は意見が分かれるとことですが、逆流性食道炎に伴うバレット胃がんやピロリ菌陰性の胃底腺型胃がん、胃底腺ポリープのラズベリー型胃がんなどもあります。その存在を知らなければ見つけられない癌もあります。当院では患者様の背景や性格を念頭にそのフォロー期間を決めております。
まとめ:胃カメラ検査の適切なタイミング
40歳以上 で検査を受け始めるのが一般的な目安
家族歴やピロリ菌感染歴がある場合は、より早めの検査を検討
定期的な検査(2〜3年ごと)が胃の健康維持に役立つ
胃がんは「沈黙の病」とも言われるほど、進行するまで症状が現れにくい病気です。健康な毎日を維持するためにも、適切なタイミングで胃カメラ検査を受けることが重要です。ぜひ一度、医師に相談してみましょう。
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