
はじめに
慢性胃炎は、日本人に非常に多い疾患の一つであり、胃の粘膜が長期間にわたって炎症を起こしている状態を指します。多くの場合、自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することがあります。しかし、慢性胃炎が悪化すると、胃潰瘍や胃がんのリスクが高まるため、適切な対応が求められます。
本記事では、慢性胃炎の症状や原因、ストレスや食事との関係、治療方法について詳しく解説します。
慢性胃炎の症状
初期症状と特徴
慢性胃炎の初期段階では、症状がほとんどないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
胃もたれや膨満感
食後の胃の不快感や痛み
胸やけや酸っぱいげっぷ
食欲不振や体重減少
吐き気や嘔吐
貧血(特に萎縮性胃炎が進行すると鉄欠乏性貧血を引き起こすことがある)
症状が長期間続く場合は、医療機関での診察を受けることが推奨されます。
慢性胃炎の主な原因
1. ピロリ菌感染
慢性胃炎の最も一般的な原因はヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染です。ピロリ菌は胃の粘膜に住み着き、炎症を引き起こします。感染が長期化すると、胃の粘膜が萎縮し、胃がんのリスクも高まるため、ピロリ菌の検査と除菌治療が重要です。
2. ストレスの影響
過度なストレスは、自律神経のバランスを乱し、胃酸の分泌を増加させることで胃の粘膜を傷つける原因になります。特に仕事や家庭での精神的ストレスが多い方は、胃の不調を感じることが多くなります。
3. 食生活の影響
食生活の乱れも慢性胃炎の原因となります。特に以下のような食習慣は、胃の負担を増やし、炎症を悪化させることがあります。
塩分の多い食事(漬物、味噌汁、加工食品など)
辛いものや刺激の強い食品(唐辛子、カフェイン、アルコール)
脂肪分の多い食事(揚げ物、ジャンクフード)
食事の時間が不規則、暴飲暴食
胃に優しい食事を心がけることで、慢性胃炎の悪化を防ぐことができます。
4. 薬の影響
長期間にわたる鎮痛剤(NSAIDs)やステロイドの使用も、胃の粘膜を傷つける原因となります。特に関節炎などで痛み止めを頻繁に服用している方は、胃の状態を定期的にチェックすることが重要です。
慢性胃炎の検査方法
1. 胃カメラ検査(上部内視鏡検査)
慢性胃炎を診断する最も確実な方法は胃カメラ検査です。内視鏡を用いて直接胃の粘膜を観察し、炎症の状態を確認します。萎縮性胃炎やピロリ菌感染の有無を調べるために、組織を採取することもあります。
2. ピロリ菌検査
慢性胃炎の原因がピロリ菌によるものかどうかを調べるため、血液検査、尿素呼気試験、便検査、組織検査などが行われます。ピロリ菌が陽性だった場合は、除菌治療が推奨されます。検査の方法は患者様の状態や服薬状況、ピロリ菌の状態(初感染や除菌後)を考慮し、選択します。
慢性胃炎の治療方法
1. ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌が原因の慢性胃炎の場合、抗生物質と胃酸抑制薬を1週間服用することで除菌治療を行います。除菌成功率は高く、治療後に胃の状態が改善するケースが多いです。
2. 胃酸を抑える治療
胃酸の分泌が過剰な場合、以下のような薬を使用して治療を行います。
プロトンポンプ阻害薬(PPI):胃酸の分泌を強力に抑える薬
H2ブロッカー:胃酸の分泌を緩やかに抑える薬
胃粘膜保護薬:胃の粘膜を保護し、炎症を和らげる薬
3. 生活習慣の改善
薬による治療と並行して、生活習慣を見直すことが重要です。
バランスの取れた食生活を心がける
規則正しい食事時間を守る
適度な運動を取り入れる
ストレスを軽減するリラクゼーション法を実践するれます。
当院の内視鏡検査について
当院では、最新の内視鏡機器を導入し、苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しています。鎮静剤を使用することで、検査中の不快感を最小限に抑え、リラックスした状態で受けることが可能です。
また、慢性胃炎の診断からピロリ菌の検査、除菌治療まで一貫してサポートしています。胃の不調を感じる方は、お気軽にご相談ください。
検査はオンライン予約やお電話で受け付けていますので、詳細は当院の公式サイトをご確認ください。
まとめ
慢性胃炎は放置すると萎縮性胃炎や胃がんのリスクを高めるため、早期の発見と適切な治療が重要です。胃の不快感や食欲不振が続く場合は、胃カメラ検査を受けて正確な診断を行いましょう。
当院では、最新の機器を用いた胃カメラ検査とピロリ菌除菌治療を提供しており、患者様が安心して受診できる環境を整えています。胃の健康を守るために、ぜひ一度検査をご検討ください。
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