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お知らせ&コラム

内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)後の食事や注意点について

  • 執筆者の写真: 将太 外村吉野
    将太 外村吉野
  • 2023年6月27日
  • 読了時間: 9分

更新日:6月20日


胃カメラ検査や大腸検査などの内視鏡検査を受けた後は、胃腸の状態が一時的に不安定になるため、食事内容や生活習慣に注意が必要です。特に検査中に鎮静剤を使用した場合や、生検(組織採取)を行った場合には、消化器に負担をかけないよう配慮した食事と安静が求められます。


当記事では、内視鏡クリニックで検査を受けた患者様が、検査後の食事や行動について正確に理解できるよう、WEB上でもよくある質問に沿って注意事項やお勧めの食品、制限すべき食材を詳しくご案内します。また、胃カメラ後と大腸カメラ後の違いについても整理し、症状の原因となるリスクや対応方法についても触れていきます。



胃内視鏡検査後(胃カメラ後)の食事や注意点


内視鏡検査は、麻酔をかけるため検査後は飲み込む感覚が麻痺しています。

検査後に水を飲んだり食事をしたりする場合の注意点をご確認いただき、誤嚥や窒息などに注意しましょう。



胃内視鏡検査(胃カメラ)後の食事は麻酔が切れてから


麻酔を使用したあとは、食道に流れるはずのものが気管に入ってしまう可能性があります。

麻酔は1時間ほどで効果が消退するため、食事は1時間ほど時間を空けてください。

最初は少しずつ飲水をして、むせたり、気分が悪くならなければ普段通りの食事をしていただいて大丈夫です。



胃内視鏡検査(胃カメラ)後の症状と体調の変化


組織を採取した当日は、消化の良いものを食べて、アルコールなどの刺激物や脂っこい食べ物は控えるようにしてください。刺激の強い食事や飲み物は、以下のような影響を及ぼす可能性があります。


  • 胃もたれ

  • 細胞を採取した部位の出血


検査後に胃もたれやのどの違和感、青い便が見られることがあります。これは色素を使った観察によるもので、多くは自然に改善します。ただし、黒い便(血便)や嘔吐、強い腹痛、ふらつきなどが出た場合は、腸壁や消化管に傷や出血、生検部位からの出血の可能性もあるため、早急に医療機関へご来院ください。


そのため、胃カメラ後の食事は消化のよいメニューがおすすめです。

以下の表を参考に、胃カメラ後の食事に気を付けてください。



内視鏡検査後におすすめのメニュー


食事を再開する際は、胃に優しい食品を選びましょう。白粥や素うどん、鶏ささみ、白身魚、りんごのすりおろし、ゼリー飲料、ヨーグルトなどは、胃への刺激が少なくおすすめです。特に消化器に負担をかけないよう、食物繊維や油脂類を控え、柔らかく調理した料理を心がけてください。パン類であれば、食パンやロールパン、蒸しパンなども適しています。

※脂肪分の多いお肉(鶏皮やベーコン、ソーセージ、ハム、ロース)や唐辛子など香辛料を使った料理、カフェインを含むコーヒー・紅茶・青汁、ジュース類(特に果肉入りやミルク入り)、菓子パン(あんぱん、ウエハース、チョコレート)、脂質の高いケーキ類は不可です。


  • ​やわらかいご飯、おかゆ、うどん

  • 煮魚、鶏のささみ肉、赤身肉

  • みそ汁、大根・にんじん・かぼちゃなどの煮物

  • りんご、バナナ、ヨーグルト、プリン

  • 麦茶、スポーツドリンク




内視鏡検査後は控えた方がいいメニュー


  • ​カレー、麻婆豆腐、ラーメン、パスタ

  • キムチ、揚げ物、炒め物

  • みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず

  • お酒、コーヒー、紅茶、炭酸飲料、キンキンに冷えた飲み物




内視鏡検査後の食事メニューについて一覧表


検査後におすすめのメニュー

  • ​やわらかいご飯、おかゆ、うどん

  • 煮魚、鶏のささみ肉、赤身肉

  • みそ汁、大根・にんじん・かぼちゃなどの煮物

  • りんご、バナナ、ヨーグルト、プリン

  • 麦茶、スポーツドリンク

検査後に控えた方がいいメニュー

  • ​カレー、麻婆豆腐、ラーメン、パスタ

  • キムチ、揚げ物、炒め物

  • みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず

  • お酒、コーヒー、紅茶、炭酸飲料、キンキンに冷えた飲み物




胃内視鏡検査(胃カメラ)後に見られる症状


胃カメラ検査の後、胃腸に空気を入れることによる腹部の張りやのどの違和感、腸の動きに関連したガスの排出などが見られることがあります。これらは消化管に挿入した内視鏡によって一時的に刺激された結果であり、多くの場合は翌日には自然に改善します。


たとえば、青い便が出るケースは、検査時に病変部位を観察するための色素(インジゴカルミンなど)を使用した結果であり、組織検査に伴う変化ですのでご安心ください。スケジュール通り通常の食事へ戻して問題ない状態です。


一方で、胃の内容物が完全に排出されずに残った場合や、繊維質の多い食品(野菜全般、キノコ類、海藻類、ごぼう、ナッツ類、豆類など)を摂取して腸壁に負担がかかったケースでは、便秘や下痢を引き起こす可能性もあります。。



心配ない症状


お腹が張る

胃の内部を細かく観察するため空気を入れて膨らませています。検査を終える際に空気を抜いてはいますが、腸に流れた空気はガスとして排出されます。それまでの間、お腹が張っている感じがすると思いますが、心配ありませんのでご安心ください。


のどに違和感がある

カメラが通る際にのどの壁に当たることがあります。自然に治りますので、2〜3日様子を見てください。


青い便が出た

ポリープが見つかった場合、表面をよく観察するため色素を使用することがあります。青い便が出ても問題ありません。また、色素を使用すると、胃もたれを感じる人もいますが、自然に治りますのでご安心ください。



ご連絡をいただきたい症状

  • 黒い便が出た

  • 血や黒い物を吐いた

  • 腹痛

  • めまいやふらつき


上記は、細胞を採取した部位から出血しているおそれのある症状です。細胞を採取して出血が続くことはほとんどありませんが、上記の症状がみられる場合は当院にご連絡ください。




大腸内視鏡検査後(大腸カメラ)の食事


大腸内視鏡検査(大腸カメラ)後の食事についてご紹介します。



大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で観察のみの場合


大腸カメラによる観察のみでポリープ切除や生検を行っていない場合、検査後は基本的に通常通りの食事に戻して問題ありません。ただし、下剤の影響で腸内が空っぽになっており、一時的に胃腸の動きが鈍くなっている可能性があります。そのため、まずは水分摂取(麦茶・白湯・透明なスープ)から始めて、体調や排便の状態を確認しつつ食事内容を整えていくことが重要です。


食事の再開は白米やお粥、雑炊、白粥などの主食から始め、繊維質の少ない野菜(にんじん・大根など)や煮魚・鶏むね・赤身の肉類などを少量ずつ加えるとよいでしょう。



大腸内視鏡検査(大腸カメラ)でポリープを切除した場合


大腸カメラでポリープが見つかった場合、切除可能な大きさであれば、その場で切除します。


大腸ポリープを切除した場合は、大腸粘膜が一時的に損傷しているため、腸壁への刺激を避ける必要があります。検査後1週間程度は、脂質や脂肪食(フライドポテト、天ぷら、加工肉など)を避け、消化に良い食材を選びましょう。雑穀米や玄米、全粒粉のパンなど、繊維や糖質の多い食品は便秘や下痢を誘発するリスクがあるため注意が必要です。


また、香辛料、アルコール(飲酒)、カフェイン飲料、炭酸飲料、ナッツ類(ナッツ、ナッツ入りスナック菓子、ドライフルーツ)、青魚や魚卵など脂の多い魚介類は、腸管への刺激が強いため避けてください。



大腸内視鏡検査(大腸カメラ)後の注意点


切除した部位は、出血しないように確実な処置・縫合をしています。

しかし、ごくまれに食べ物が腸管を通過するときに出血したり、腸に穴があいてしまう偶発症が起こることがあります。


特に、抗凝固薬や、抗血小板薬を内服されている方は出血しやすいため、事前に必ずご相談ください。


万が一、以下のような症状が見られた場合は、自己判断せず、必ず医療機関へご連絡ください。検査後の状態としては異常と判断され、重大なリスクを伴うこともあるため、早期対応が重要です。


  • 黒い便(タール状の血便)が続く

  • 嘔吐物に血液または黒い物が混じっている

  • 強い腹痛・持続する腹部膨満感・発熱

  • めまい・ふらつき・低血糖のような症状

  • 止まらない下血や便の異常(明らかな血液・赤いゼリー状)


特に、生検やポリープ切除を行った患者様は、腸の一部に微細な出血や穿孔が起こる可能性があります。安静を保ち、水分補給をこまめに行いつつ、必要に応じて来院・受診してください。。


医師の指示と体調の変化に注意


大腸内視鏡検査の翌日は排便の有無や状態(血便や黒色便、下痢)が体調を知る重要なポイントとなります。便秘傾向が続く場合や、腹圧がかかる運動、入浴、暴飲暴食は控えめに。医師の指示を守り、体調に異常を感じた場合はすぐに主治医やクリニックへご相談ください。

なお、抗血小板薬や抗凝固薬を服用している方、糖尿病の方は、血糖コントロールや止血リスクの面からも、検査前後の食事制限や薬の中止・服用再開タイミングなどについて医師と事前に相談しておくことが不可欠です。



内視鏡検査前後に気を付けたい生活習慣と準備

食事制限と検査食の活用


検査前の準備として食事制限が必要な場合、前日の夕食は白粥・素うどん・はんぺん・サラダチキンなど、繊維・脂質が少なく消化しやすい食品を選びましょう。検査食(市販の消化に良いセットメニュー)も販売されていますので、スムーズな排便や腸内のきれいな状態を保つために活用すると良いでしょう。


検査当日の朝食は通常不可で、21時以降の飲食は控えるのが一般的です。水分摂取は透明な飲料(水・麦茶・スポーツドリンクなど)に限定されます。スムージー、スープ、ジュース、牛乳、ミルク入りの飲料、野菜ジュースは不可とされるケースもあります。

また、検査前には下剤の服用が指示されます。下剤は腸を空っぽにする目的があるため、食事内容・食材(脂肪分・繊維質など)にも十分注意しましょう。特に消化の悪いパン類(全粒粉・ライ麦など)、野菜ジュース(果肉入り)、ドライフルーツ、脂肪分の多い料理(唐揚げ・フライドポテト・炒め物)などは控えてください。



内視鏡検査後のポイントと再診のタイミング


胃カメラ検査や大腸カメラ検査後の注意点として、飲酒の再開、運動、入浴、運転、脂質・糖質の多い食品の摂取などは、医師の指示に従って控えめにするのが基本です。特に体調が万全でない場合や、検査後に違和感が残っている場合は、数日は安静を保つことが重要です。


また、糖尿病や高血圧など生活習慣病のある方、検査中に鎮静剤を使用した方は、検査後も低血糖や発熱、胃腸の動きの変化に注意しましょう。排便の状態、下痢や便秘の傾向、腹部の張り感なども含めて体調管理を行い、必要があれば再度来院をお願いする場合があります。


安心して検査を受けていただくために


胃カメラや大腸カメラを安心して受けていただくためには、検査前の準備、検査食の選び方、食材の選定、検査後の食事内容、排便の状態、水分補給、そして生活習慣全般にわたる注意が欠かせません。主食、副菜、飲み物、間食まで一つ一つが腸と胃の状態に影響します。

不安な点があれば、医師やスタッフに気軽にご相談ください。当クリニックでは患者様の安全を第一に、丁寧な案内と正確な検査を心がけています。検査の予約、WEBでのご案内、注意事項の再確認など、すべてのプロセスでサポートいたします。

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